世界にはチョークポイント(Choke point)と呼ばれる海上交通の要衝があります。
チョークには首を絞めるといった意味がありチョークポイントとは海運において重要な航路が集中している場所のことを指します。
(スターウォーズが好きな人ならダースベイダーが使うフォース・チョークという技を思い出すかもしれません笑)
そんなチョークポイントの一つ、太平洋と大西洋を結ぶ運河が今回紹介する「パナマ運河」です。
場所は中米パナマ共和国にあります。
https://goo.gl/maps/6CRgL6tTgwB85pSC8
この運河は閘門(こうもん)式運河と呼ばれるなかなか面白い構造をしているところにあります。
パナマ運河のルートを簡単に説明すると
太平洋⇔ガトゥン湖⇔大西洋(カリブ海)
となっています。
ガトゥン湖は海抜26mで太平洋や大西洋に比べて高い位置にあります。
そのため閘門と呼ばれる水門を使って水位をまるでエレベーターのように上下させて船を通過させています。
なかなか文字で想像するのは難しいと思うので、実際に船がパナマ運河を太平洋から大西洋に抜けていく動画のURLを張っておきます。
Panama Canal – Full Transit- Time Lapse – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=m8TkcWhmByg
動画を見て頂いたらわかる通りパナマ運河は一部狭い箇所があるため、小回りが利かないコンテナ船などの大型船は、タグボートと呼ばれる船を押したり引いたりする船や、
電気機関車(動画に映っている閘門に入った際に船の横を走るグレーの車両です)を使いけん引します。
ちなみにこの電気機関車は日本製です。
パナマ運河が通れる船の最大の大きさを「パナマックス」と呼びます(パナマ運河の頭文字+マックスとはなんとも安直ですね笑)。
このパナマックスが船を設計する際の指標になっています。
余談ですが、かつての日本が建造した戦艦大和はこのパナマックスより大きく建造されました。
理由は当時のアメリカ海軍の戦艦はパナマ運河を通過することを考慮して設計されていたため、それよりも大きいサイズの戦艦を建造すれば戦闘時に優位に立てると考えたからでした。
そんなパナマ運河ですが北米東海岸(ニューヨーク港など)と日本を含むアジアの主要港を結ぶ海上貿易量が一番多く取り扱っています。
北米から輸出されるものとしてLNG(液化天然ガス)、日本や韓国からは自動車がこの運河を通って輸送されています。
[編集後記]
パナマ運河という言葉を聞いたことはあっても、その存在を意識される方は少ないのではないでしょうか?
しかし今回の記事を読んでいただければ日本を含む世界経済、そして社会を支える重要な建造物だということがわかっていただけたのではないかと思います。
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