今は亡きプロ棋士米長邦雄さんの「人間における勝負の研究」を読みました。実力を極限まで高めた集団であるプロの中で米長邦雄さんが大切にしていたのが「運」や「勘」というものでした。まず前提としてプロは皆さん行動量が半端ではないんです。将棋のことを24時間ずっと考えていて、練習も毎日最低3時間以上やっているわけです。そのため試合となったらどっちかが一方的に勝つ展開にはならないんですよ。だいたい泥試合になると米長さんも本のなかでおっしゃっています。
そんな中で米長さんが大切にしていたのが運や勘でした。勝負は技術や才能以外にも運や勘が重要な要素を占めると考えていたようです。そしてそれを引き寄せるためには勝負以外の日常生活での所作が大切と説いています。
米長さんはバリバリの昭和男性なので考え方の部分で令和の時代にそぐわない部分もありますが、本質の部分は今でも役立つ部分があると思います。特に大切な考え方だと思ったのは「悪手を刺さない」という部分です。本屋に並んでいる本のタイトルを見たり、FacebookやYoutubeで流れてくる広告をみたりしていると、「いかに成功するか?」にフォーカスしているコンテンツが多い気がします。これは将棋で言うところの最善手を刺すために過去の将棋の結果を研究することに似ています。
でも米長さんは悪手を刺さないことが大切だと述べています。人生における悪手とは、まず人間が欲望通りに行動すること全般です。ムカつくから人を殺す、お金が欲しいから盗むなどです。これは自分自身のことなので、人格を高めれば回避することができます。
もう一つは事故に合うなど受け身的な悪手もあると述べています。こちらを避けるために彼は日頃から運や勘というもの大切にしていたのでしょう。運や勘を高めるための考え方や普段の行いが6章以降にかかれていますが、ここでは敢えて書きません。
もしあなたが高い基準値で行動しているのに結果が出ていないのであれば、この本はとても役に立つと思います。ぜひ読んでみてください。
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